竜宮ホテル 迷い猫/村山早紀,遠田志帆

空気感がとても心地良い。
メインとなるのは妖精の祝福という名の『呪い』を背負った家族のお話。
先祖が妖精を助けた見返りとしてもらった、子孫にまで伝わっていく祝福『ひとを幸せにする力』。
それはその能力者や周囲の人間の不幸と引き換えにしてしまう呪いのような祝福。
物語はそれを伝えるお伽話から始まる。
そのお伽話の通り、主人公は左目に怪異を見る能力を持っていて、ちょっとした不幸を背負っている。
この物語の中で起こることは割と辛かったり、悲しかったり、切なかったりするのだけど、それを受け止める優しさに包まれていて、読後感はちょっと嬉しくなるような気持ち。
それは、幸せと不幸せというのは実は紙一重なもので、見方を変えれば幸せに見えるという考え方が、とても優しく語られてるからかなあと。
そういう考え方というか哲学というか、それ自体は珍しくないのだけど、とかく宗教の説教や自己開発系セミナーみたいになってしまうものでw
それをこんなふうに優しく真摯に語られるとスッと入ってくるのだなあと。
そして、優しく語られてるのだけど、けして優しいお話ではないのが心を締めつけられる。
舞台となる不思議な『ひとびと』が集まる竜宮ホテルにも泊まってみたいなあ。
主人公がホテルで出逢うあまり怖くないw妖怪や幽霊はとても素敵で、彼らに会ってみたくなる。
漫画の『もっけ』とか好きな人は気に入るんじゃないかなあ。
妖怪たちはコミカルでこ憎らしくて、クスリとしてしまう。

表紙の遠田志帆さんの絵もたまらない。
表紙の女の子は主人公ではなくお話に出てくる女の子なのだけど、彼女のイメージにこの上なく合致している。
遠田さんの竜宮ホテルの絵、もっとないのかなあなんて思ってしまうw
そんな風に、この物語の風景がもっと見てみたくなる、とてもいい本でした。
この本はf-Clan文庫創刊ラインナップの本。
村山早紀さんはメインは児童文学の方みたいなのだけど、是非ともどんどんラノベを描いてほしいので、f-Clan文庫には頑張ってもらいたい。
というか、ぶっちゃけこれの続編を絶対見たいのでなんとか描いてもらって欲しいw

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